ライフスタイルブランドの 作り方とは?

大山雄也 – PIANTA×STANZA

ライフスタイルブランドの 作り方とは?

PIANTA×STANZA ディレクター
大山 雄也(おおやま ゆうや)

ライフスタイルブランドの 作り方とは?

ブランド立ち上げから5年。グリーンを使った新たなライフスタイルを提案し、現在も成長し続けるPIANTA×STANZA。
同ブランドがどのように成長し、ザ・カンパニーがどのように支えてきたのか。
注目を浴びるブランドとその裏方の関係性を余すことなく公開。
Photo: Kazunari Ogawa
Edit: Keisuke Tachibana
大山さんが手掛けている「PIANTA×STANZA」(以下、PS)というブランドとはどのようなブランドですか?また、どんな経緯で生まれたブランドなんでしょうか?
大山
じゃまずは僕が今の会社に入った経緯も含めて説明しますね。PSを作る一番のきっかけというか原点は、幼いころからの「アクアリウム」という趣味が根っこにあって、この趣味が造園や庭造りを目指すきっかけとなってますね。アクアリウムというのは水槽の中に擬似的な自然、つまり川や海の環境を作り楽しむというものなんですが、そういった幼い頃からの趣味の延長で植物や緑にも興味をもち、屋上緑化のパイオニアである東邦レオ(株)という会社に入社しました。
入社後は具体的にどのような仕事・プロジェクトに関わってきたのですか?
大山
入社後は屋上庭園のデザインとか設計・施工というのをやってきたのだけど、一番最初に携わった仕事が、エンドユーザーの家の庭とか屋上を作る仕事で、そこでは自分の作りだしたものでお客さんが喜んでくれるということを繰り返し経験しながら、とにかく無我夢中で庭や屋上庭園をつくってましたね。
今のPSの活動含め「法人」のイメージが強いですけどね。
大山
そこから3年後ぐらいして法人営業に移ったんですよね。そこでは商業施設のプロデュースやデザインに関わるようになって。そこでも何年かやっていくうちに一度おもしろくないなというか、ギャップを感じ始めちゃって。
それはどんなギャップ?
大山
直接お金を出す人と利用する人とが違うというギャップです。自分が作り上げたものに対してお仕事として「お金を出す人」とユーザー、つまりお客様としてそれを「体感してくれる人」がバラバラになってしまうことになんか虚しさというか、近い位置で相手をよろこばせることを実感できなかったというか。
そういうのがあって、やっぱりお客さんに近いところで作りたいし喜んでもらいたいという思いが強くなってきて。人のライフスタイルに影響を与えるような活動をしたいというのを思うようになって、植物がメインのプロダクトを作ろうとなりましたね。プロダクトを作って興味関心がある人にそれを見てもらって、触れてもらって、購入してもらって、暮らし方、スタイルに影響を与えることが出来るのではなかというのがきっかけになって。
そこでブランドを作ろうと?
大山
そうです。プロダクトを作るとなればブランドを作らなければいけないというごく普通の流れで、PIANTA×STANZAというブランドを立ち上げました。
PSというブランドを立ち上げて、今何年目ですか?
大山
ちょうど4年がたって、今年5年目ですね。
5年になりましたか。もう。という事は5年前から僕たちThe company(以下、TC)も関わらせて頂いているのですが、PSというブランド作っていく上で大山さんにとって一番注意している事は?
大山
これはもう、今でも迷ってしまうのだけれども、一番難しいことはブランドを守ること。これが1番難しい。ブランドの思想であるとか、どんな価値をお客さんに届けたいのかというのはもちろん僕としてもあるんだけども、立ち上げ当初というのはブランドでもあり、事業でもあり、ビジネスでもあり、というところで、結局ブランドの質を守らなければいけないのに、手前の飯を食うためにそれをぶらしてしまったりだとか、とにかく右往左往してしまったというのが結構何回もあったりして。
ありましたねぇ(笑)
大山
そうそう(笑)そういったところをTCさんにというか橘さんに「いやいや、そっちじゃないよ」といつも調整してもらっていたというのを常に感じていましたね。
外部だとある意味、客観的にみれますからね。
大山
でもそれが1番大事な事なんだと思うんですよね。僕だけではわからないマーケティングの部分だったり、今どんな人がどんなモノを求めているのかという部分もやっぱり大切な事ですから。僕がやりたいことを分かりやすく伝えていくための顔をつくってもらうという事はすごい大事な事ですよ。
僕たちTCというのは一言で言えば外注になるんですが、こういったブランディングやプロモーション関係で外注とお仕事というのはされていたんですか?
大山
いやいや全然。PSをやる前はそれこそブランドなんていうものを自分が作るなんて思ったことなかったし、必要性も感じていなかったし。という意味では初めてそういうお付き合いをさせていただいたのはザ・カンパニーで。協力業者という意味ではモノづくりにおいて職人さんであるとか、材料を供給してくれる生産者であったりとか、そういうお付き合いはいろいろあったのですが、ブランドを作るとかそういう活動の中でのパートナーといったのは初めてでしたよね。
そうだったんですね。知らなかった(笑)言ってももう5年もお付き合いさせて頂いて、今や公私共々やらせてもらっているわけですけど、なんで5年もうちの会社と付き合って頂けてるんですかね?自分で聞くのも変な話ですけど(笑)
大山
5年も、、というのは結果なんですよね。僕の中では、いち協力会社、外注というスタンスではなくて、一緒にブランドを作ってきた同志だし、そういうくくりで見てきているので、ここだけは替えの聞かない存在になっているんですよね。それは5年前に初めてお会いした時から感じた部分ですよね。こいつは信用できるなって(笑)
有難うございます。良いこと言ってくれますねぇ、泣けてきます(笑)
大山
(笑)いやいや、本当にそれは絶対にそうで。例えばなにかこちらが制作物を依頼したもののクオリティだったり、それだけを見たら、はっきり言ってしまうと同じようなクオリティを出せるようなところも、もしかしたらあるのかもしれない。でもそういう問題ではなくて、やはりここまでに至るプロセスだったり、こちら側のその瞬間だけじゃなくて生み出すところからずっと育ってきているプロセスを一緒に感じて作ってきてくれているということがすごく大きくて。
そうですね。これだけ制作会社がありますからね。
大山
クオリティというのは制作物だけではないからね。アイデア、人間性、信頼出来るかどうか、、色々なものが合わさってクオリティというのだと思うんですよね。それらの全てが高くないと長いお付き合いは出来ないですよね。
どんな商品を扱うブランドかということで考えは違うと思うんだけど、PSに関して言えばこの延長線上が大企業になっていくのかと言ったら、そうではないブランドです。ニッチなところでしっかり自分たちの世界観をもちながら、それを磨き続けて、ファン、つまりお客様とコミュニケーションを図っていくブランドです。だからこそいきなり新しくポンと・・・という事は出来ないんですよね。なんていうのかな、場合によってはパートナーを変えなきゃいけない時もあるかもしれないけど、でも変えちゃいけない部分というのがすごく大事な気がしていて。新たな業者と仕事をする時でも相談しちゃう存在になってますよね、TCさんは。
たしかに、僕自信もPSをお客さんと思ってないですよね(笑)俺らのブランドだ、ぐらいの感覚ですよね。
大山
(笑)そういってもらえるとこちらも嬉しいですよ。だから他っていうのを一度も考えたことないし。社内外関係なしにこの活動だったり、PSが歩もうとしている、目指している先に対して共感してくれるいろんな仲間がいて、このブランドもここまで来たと思うのですよね。それを象徴する出来事が、うちスタッフ5人しかいないのに、年末の忘年会になると40人くらいの人が集まってくれるという(笑)いろんな人がいろんなところを支えてくれて、育ててくれたから今のPSがある。そういう認識でいますよね。
本当に色んな人が助けてくれてますよね。やはり外部パートナーと組んでいく上ではスタンスへの共感だったりとか、哲学を共有できるという部分は大事にしてますか?
大山
そうですね。1番大事に考えていますね。哲学を共有できるところは。僕自身はブランドなんて作ったことなければ、必要性も感じたことなかったんだけど、僕は狭い領域の中で深く掘り続けたい人間なので、いわゆる縦軸だけで考えてしまいがちなんです。でもライフスタイルというものはすごく広い領域だから、これには横軸という考えが必要になってくる。そして「今」という旬な部分も大事になってくる。縦となる僕らと横の部分を担ってくれているTCさんとの関係性がすごくやりやすい。
なるほど。確かに大山さんが言う横軸の部分は僕らも意識してますね。
大山
そうそう。横軸でいてくれて、かつその横軸も全部に裾野を広げた薄っぺらいものではなくて、PSがまたをかけているようなファッションだったり、アウトドアだったり、インテリアだったりのちょうど網を張りたいところに対して横軸を持ってくれているから組んでて有り難い存在になってるんでよね。
となると、重なってしまうような質問かもしれないですが、The companyと付き合ってる上での1番のメリットってなるとそういった部分なんですかね?客観性というか。
大山
それだけではなくて、冒頭にお話したとおり全てにおけるクオリティも勿論ですが、僕にとってはそこかもしれないですね。横軸を持ってくれているんで、どうしても狭い視野のなかで深くいこうとすると深くいきながらもあっちに行ったりこっちに行ったりするんですけど、これがはみ出そうになった時に領域を絞ってくれるというのが自分にとっては1番必要と思っているし、そこが1番の価値ですよね。The companyの。
なるほど。僕らも勉強になります。では最後にザ・カンパニーへの率直なご意見を聞かせていただきたいんですけども。辛辣なものでもいいですけど(笑)
大山
TCに対しての率直な意見…うーん。
橘が生意気だでもいいですし(笑)
大山
(笑) それはデフォルトであるんですけど(笑)生意気というか、ズケズケしているんですけど、それが良さでもあって。
なんていうのかな、僕らの業態の性質上かもしれないけど良くも悪くもお仕事をしていない。いい面に動くことも勿論たくさんあるんだけど、お仕事上のコミュニケーションでなくなるときもあるし。そこは一長一短。でもそこがない限りできるものも出来ない場合もあると思うんですよね。
いわゆる、ケンカしないといけない部分があるということですかね?
大山
そうそうそうそう。で、なかなかそういうパートナーというのもいないと思うんですね。特に会社が変わっちゃったりすると。こういう風に付き合えるパートナーっていなくって。だからこそ貴重だなーと感じていて。でも橘さんぐらいかな、そんな人というか関係は(笑)だからこそ、これからも僕らが考えるライフスタイルを自信も持って提案できるんだろうなと思いますね。

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